マスタリング用語集
アナログサチュレーション
アナログサチュレーションとは、アナログ機材特有の温かみや豊かさを音に加えるプロセスを指します。具体的には、テープレコーダーやアナログコンソールを通じて音声を録音・再生するときに生じる微妙な歪みや倍音が加わり、デジタル録音では得られない独特の質感を生み出します。これにより、音がより豊かで親しみやすくなるため、特にデジタル音源に対してアナログの質感を再現したいときに利用されます。初心者でも取り入れやすい技術で、音楽制作においては「温かみ」を加える重要な手法の一つです 。
2MIX(トゥー・ミックス)
近年の楽曲制作はマルチトラック(楽器パートごと)録音されますが。それらを通常の音楽プレイヤーで聴けるように聴きやすく編集する作業(ミックスダウン)をすること、またはミックスダウンされた音源を意味します。この2MIX音源をマスタリングされたものがCDや配信音楽データに使用される。
Blu-ray(ブルーレイ)
近DVDの5倍以上の容量を誇り、画質の高い映像データを丸ごと記録することができます。ハイビジョンと呼ばれる映像形式はデータ量が膨大になるため、従来のDVDでは数十分しか記録できない、2時間を超える映画などを一本で収録できるのはブルーレイディスクのみ。音声スペックも高く非圧縮192kHz/24bitまで再生可能で実質ハイレゾ音質対応ということ。映像と同様、より繊細なニュアンスを楽しめる。
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CD(シーディー)
「デジタル信号を記録する光ディスクの企画。直径12cm、または8cm。フィリップスとソニーが共同開発した。現在は音楽以外のコンピューター用の情報記録にも一般的。国内では80年代中期にレコード生産数を追い抜き、以後、音楽メディアの中心として存在する。
Compression(コンプレッション)
音源の振れ幅を狭め、音圧のバランスを整えることで、よりダイナミックな音源を作ることができます。コンプレッサーというエフェクト機材やプラグインによって行われる処理。機種により質感が異なるのでどのエフェクトを選択・組み合わせるかのマッチングが重要。
Cubase(キューベース)
DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれる音楽制作ソフトウェア製品。ドイツのSteinberg社(YAMAHA傘下)で開発されている。ハードウェアMIDI音源(シンセサイザーなど)やソフトウェア音源を演奏するシーケンサー部分とドラムやギターや歌などを録音するためのオーディオトラック部分があり、それらをシームレスに編集することができる。DTM創世記から主力ソフトの地位を確立し、プロミュージシャンも利用者が多い人気ソフト。
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DVD(ディーブイディー)
「CDと同じ直径12cmのディスクにデジタルデータを記録できる規格。光ディスクに設けられたビットと呼ばれる凹凸が高密度のため、CDを遥かにしのぐ大容量データが記録可能となった。映画コンテンツをはじめとした商業作品はVHSからDVDへ普及し、現在でも中心的なメディア。Blu-rayが普及するようになってから安価なメディアとして使用され、最近では雑誌の付録コンテンツなどにも広く活用されている。CDよりも音声も高スペック。
DAC(ダック)
Digital to Analog Converter デジタル信号をアナログ信号に変換する電子回路。ハイレゾ音源などが再生できるPCオーディオ(パソコンで管理する音楽データを再生し楽しむ)を楽しむための必須アイテム。パソコンと直接つながるUSBスピーカーなどを除き、パソコンとオーディオ機器の間に挟んで使う。本格オーディオで再生する場合はこの性能が音質を大きく左右する。
DAW(ダウ)
DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれる音楽制作ソフトウェア全般を指す。国内ではCubase,Logic,SONAR,StudioOne,Ableton Liveの人気が高い。代表的な機能として、多重録音、自動演奏のプログラム、それらの素材をミックスする音楽制作に必要な編集ソフトウェアである。
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)
ドルビーアトモス(Dolby Atmos)とは、ドルビーラボラトリーズが開発したオブジェクトオーディオに基づく革新的なサラウンドサウンド技術です。この技術は、従来のチャンネルベースのサラウンドサウンドシステムとは異なり、個々の音(オブジェクト)を三次元空間に自由に配置することができます。これにより、音が上下左右あらゆる方向から聞こえるような立体的なサウンド体験を提供します。音楽や映画配信でもその方式で音作りされた作品も増加傾向にあります。
EQ(イコライザー)
EQ(イコライザー)音声信号の周波数特性を調整するための音響機器。ステレオ等の音響機器や音楽・映像編集等のアプリケーションに標準搭載されていることがほとんど。音声信号の周波数帯域を上下させ、補正・積極的な加工ができる。楽器ごとの周波数特性を覚えることで繊細なマスタリング作業の要となる。
frac
Free Lossless Audio Codecの略。フリーで提供されている可逆圧縮音声ファイル・フォーマット。MP3などと違い、音声情報を損なわれず圧縮できる。同じ音質でもWAVよりファイルサイズを小さくできるため、ハイレゾ配信に利用されています。60%前後のデータ圧縮が可能。
ITBミックス
ITBミックスとは、「In The Box Mix」という言葉の略で、コンピューターソフトウェア上で完結するミキシング方法を指します。
ITBミックスでは、DAW(Digital Audio Workstation)上で、トラックごとに音量やエフェクト、EQなどの調整を行い、最終的に完成したミックスを出力します。アナログミキシングコンソールやアウトボードギアを使用するアナログミキシングに比べ、ITBミックスはコンピューターソフトウェア上で作業を行うため、ミキシング作業の柔軟性が高く、コンピューターの処理能力によってはプラグインやエフェクトの種類や数も制限なく使用できることがメリットです。
また、ITBミックスでは、DAW上で編集したデータを保存することで、いつでも編集を再開することができるため、ミキシング作業において継続的な改善が行えます。
一方で、ITBミックスにおけるデメリットとして、コンピューターの性能によっては複数のトラックやエフェクトの処理が重くなり、作業が遅くなることがあります。また、アナログミキシングに比べ、音質についてアナログ特有の温かみや奥行きを感じにくい場合があるとされています。
LANDR
カナダ発のマスタリングをクラウドベースで自動的に行うサービス。楽曲を仕上げる最終工程のマスタリングは習得に高度な技術を要し、それを手軽に依頼できるというもの。プロ集団が技術開発し、様々な音楽に対応したアルゴリズムが採用されていて、手軽に音圧上げを行える。自動マスタリングという特徴上、緻密に仕上げたい人には不向き。