自主制作映画作品の整音に必要な機材
ある日思い立って、映画作品を作り始めるクリエイターはさほど多くないかもしれません。しかし、近年ではスマートフォンで制作した動画がバズったり、流れでかなり作り込んでから映画として上映できる「音質」に届いていないという現実にぶち当たる新人監督は一定数存在します。
ここでは多くの人に見てもらうことが前提の映画作品の整音に必要な機材について紹介します。
DAW(Digital Audio Workstation)
音楽や音声を編集するためのコンピューターソフトウェア。DAWにはPro Tools、Logic Pro、Cubase、Ableton Liveなどがあります。マルチトラックのボリューム調整やクロスフェードなど、動画編集ソフト内での機能に重複する部分もありますが、強力なノイズ処理や音作りに必要なプラグインを併用するならDAWは必須です。
モニタースピーカー
映画の音楽や音声を再生するためのスピーカーです。スタジオモニタースピーカーは、音質の正確さと再生能力を高めるために特別に設計されています。通常の音楽スピーカーは迫力を出すために低音が強調されていたりと、色付けがされています。そのため、その音を基準に音処理してしまうと、再生機器によりバランスが大きく崩れてしまうリスクがあります。
モニター用スピーカーは基準とも言えるフラット特性でそこで聞こえた音が他の再生機器(映画館クラスからスマートフォンまで)でも平均的な音質で再生できるようバランスを重視して設計されています。
ヘッドフォン
映画の音楽や音声をチェックするために使用されます。スタジオ用のヘッドフォンは、音質の正確さと快適さを考慮して設計されています。例えばApple Air Pods proなどの高級機種は充分ハイグレードな音がしますが、これらは音楽をより心地よく聞くためのチューニングがなされています。モニターヘッドフォンとして発売しているものとはコンセプトが異なりクリエイターとして使用するにはあまり適していません。
マイクロフォン
音声収録のために使用されます。スタジオ用のマイクロフォンは、高品質な音声収録を行うために設計されています。演技を含むドラマタイプの作品やドキュメンタリーではピンマイク(ラベリアマイク)と呼ばれるセリフを拾うマイクや指向性が強くピンポイントで音が拾えるガンマイクが利用されます。映画作品品質ならば必須アイテムでカメラ内蔵マイクだけで補うには難しいと言えるでしょう。また同時に喋る演者の数が多い場合、カメラに直接録音録音できないため、別途ミキサーやマルチトラックレコーダーが必要になります。
エフェクトプロセッサー・フィルター類
映画の音楽や音声にエフェクトを加えるために使用されます。リバーブ、コンプレッション、イコライザーなどがあります。イコライザーと一部機能が重複しますが、周波数レンジを制限するために使用されるローパスフィルター、ハイパスフィルター、バンドパスフィルターなども活用する機会は豊富です。
エフェクトプロセッサー・フィルター類
映画の音楽や音声にエフェクトを加えるために使用されます。リバーブ、コンプレッション、イコライザーなどがあります。イコライザーと一部機能が重複しますが、周波数レンジを制限するために使用されるローパスフィルター、ハイパスフィルター、バンドパスフィルターなども活用する機会は豊富です。
ノイズリダクションシステム
映画の音楽や音声に含まれるノイズを除去するために使用されます。ノイズリダクションシステムには、ノイズゲートやノイズリダクションプラグインなどがあります。近年は背景音に不要な音(バイクの音など)を切り抜くハイスペックなツールもあり、これらの使いこなしで大幅に作品クオリティが左右します。
以上が、映画作品の整音に必要な機材の一例です。映画のジャンルや予算、整音スタジオの規模によって、必要な機材は異なる場合があります。
映画におけるサウンドエンジニアは、音声のクオリティを決定するために非常に重要な役割を果たしています。そのため、彼らは監督や動画エディター、彼らのビジョンを理解し、そのビジョンに合わせたミックスを制作するために必要な技術や知識を持っています。
当方がお手伝いした自主制作映画作品においても、演者は全員素人でも監督、カメラマン、サウンドエディター(整音)だけはプロを使って仕上げたという作品は少なくありません。
自主制作映画の整音は、HybridSoundReformへご相談ください。HybridSoundReform.comは音質改善に特化したサービス。劇場公開映画の整音も手掛ける傍ら、プロアマ問わず様々な音質改善をお手伝いしています。撮り直しが効かない貴重なアーカイブ動画などをクリアに改善し、新たなコンテンツとして再利用してみませんか。