ビデオメッセージに混入したうるさい雑音(鳥の鳴き声)をカット
スマートフォンなどで手軽に動画撮影できる昨今、ビデオメッセージは身近な手段の一つ。家族や友人のお祝いに利用された方も多いのではないでしょうか。
先日、フリーで動画編集されているプロクリエイター様からご依頼のあった音質改善は企業の記念行事で流されるビデオメッセージ。誰もが知る大物有名人が企業の社長に祝いのコメントを寄せたもの。
「こんにちは〇○です、この度はおめでとうございます」的な、
まあよくある感じのコメントカットなのですが、話している間の大半を「ピーピー」という鳥のうるさい鳴き声がコメントに被るように混入。野外で静かな場所での収録も、鳥の鳴き声だけが耳障りなレベルで聞こえます。
一般の方ならメッセージの内容が伝われば充分ですが、会社のホームページやパーティー会場での上映など、公に発表するには「気になってしまう」レベル。企業にもコメントを寄せてくれた人にも失礼なビデオとなってしまいます。
・ガチに混入したうるさい物音も先端技術ではかなり軽減できる
・業務用アプリは高額な上、使いこなすには経験値が必要
・バックグランドノイズも再合成できる
★ガチに混入したうるさい物音も先端技術ではかなり軽減できる
10年前なら完全にNG確定の音声でも、先端のポストプロダクションで使用されるリペアツール(iZotope社のRXなど)はそのようなケースのトラブル音声も高精度修復が可能です。
周囲の音と混ざっておらず、明らかに違和感のある音声は割と綺麗に処理できます。上記の動画は「ピー」というライブ会場の口笛を除去しています。コメントの場合は微妙にメインの音に被っていたりと簡単な作業ではありませんが、かなりの精度で除去できます。
★業務用アプリは高額な上、使いこなすには経験値が必要
僕はiZotopeのRX7Advanced(2019時点最新上位版)を使用しておりますが、専門特化されたオーディオ修復ツールは頻度高く使用しない一般の方にはやや高額なアプリケーションといえるでしょう。
上記動画にも表示されているオレンジ色のスペクトグラムメーターにより音を視覚化してくれるので、そのビジュアルを見ながら局所的に様々な処理を施します。高精度のモニター(スピーカーやヘッドフォン)環境や様々な処理においてどのようなモジュールを用いて改善するかなど、効果的に使いこなすにはある程度の経験値が必要です。
★バックグランドノイズも再合成できる
音声成分がビジュアル化されることから、Photoshopのような感覚で処理が行えるのが特徴ですが、除去したいノイズ(ここでは鳥の声)をメーター上で判別し消し込み作業をします。「鳥の声」と判断できる部分を局所的にボリュームを落としたり、グラデーション的に他の音に馴染ませたりと、最も効果的な処理をトライ&エラーしてベターな処理方法を探ります。
しかしすでに録音された音声データの「はっきりした音」を消すとどうしても「ツギハギ感」が出てしまい。ナチュラルな仕上がりにするのは困難ですがそれらを緩和するのに強力な手助けになるのがAmbience Match(アンビエンスマッチ)です。
はっきりと除去してしまったノイズ部分を他のバックグラウンドノイズと再合成する機能です。うまく使えば「まるでノイズがなかったような」仕上げにご期待いただけます。
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