音楽や映画作品の整音やMIXを手掛けるサウンドリフォーマーの山川@hsrです。1stシングルのデジタルリリースから制作に参加させていただいている音楽ユニット、Snowdropさんのフルアルバムが今春配信リリースとなりましたので紹介します。
Snowdropという音楽ユニットとは
2021年の春に東京で結成。メンバーは傳田実咲(ヴォーカル)、小林由季(ヴァイオリン)、海渡敏晃(ギター・ベース)の3人で構成されている。ポピュラーミュージック・映画・文学に博識のある海渡敏晃が作った楽曲をオペラ歌手の傳田が歌い、クラシック音楽をベースとするヴァイオリニストの小林が自由に演奏するというスタイルとなっている。歌詞よりもメロディーに重点を置いていて、カバーは一切やらないというテーマも掲げている。(oficial HPより転載)
藝大出身の本格派シンガーとバイオリニストをフロントマンに、良質なポップソング制作を継続されています。2001年のシングル「明日を探しに」でボーカルミックスとマスタリングを担当したのがお仕事のきっかけ。
しっくりこないボーカルミックス
お仕事の手始めとなったボーカルミックス。ボーカル担当の傳田さんはオペラ出身とあり、ポップス曲による録音に不慣れな部分があり、作曲を担当した海渡氏も試行錯誤しながらのレコーディングだったようです。完成度が高いオケトラックが完成したものの、ボーカルや繊細な音色のヴァイオリンの仕上げに満足できなかったため、私に相談がきたようです。
ボーカルミックスと聞くと「歌ってみた」的な処理イメージがありますが、そもそもの歌唱クオリティも高いため、ピッチ補正などは原則、しなくても全く問題ないパフォーマンスです。そのため、あくまでも楽曲にフィットする音色を吟味することが重要ミッションでした。
ボーカル+コーラス、ヴァイオリンとバンドオケトラック
素材を受け取っての印象はパフォーマンスは問題ないものの、ボーカルトラックの収録状態に少し難がありました。声量あるボーカリストのパフォーマンスをコンデンサマイク収録するのは想像以上にスキルが必要です。声量や声質なども考慮した上で最適なマイクセッティングが求められます。マイクプリアンプやオーディオオンターフェースの品質もトラッククオリティに直接影響します。
ボーカルトラックのレストレーション
ボーカルトラックは「ボフッ」という、近接による「吹かれ」が各所にあったり、トラック全体で音割れ成分に近いピークが散見され、雑味がありました。これらが強いとボーカル処理のキーであるコンプレッション系のエフェクトでそれらが強調されてしまい、ボーカリスト本来の声質が活かせません。これらの雑味を丁寧に除くレストレーション作業が作業の中心となりました。この問題はボーカルをセルフレコーディングするインディーズアーティストにかなり多く見られる事象です。プロクラスのモニターでチェックしてもその違いを聞き分けることができず、見逃したままミックスしてしまうケースも少なくありません。
1作目で満足いくクオリティに仕上がったため、その後の作品も継続的に担当させていただきました。新作ごとに当方からのセッティング提案も繰り返し行い、マイクセッティングや録音機材のブラッシュアップを継続。今ではレストレーション(音質補正)よりもより音楽制作の要素が強い、MIX作業に専念する体制が出来上がりました。
ワールドクラスクオリティを目指すミッション
依頼から数曲目まではボーカルミックスと仕上げのマスタリングを担当しましたが、さらなるクオリティアップの要望を受け、オケトラックのミックスも担当させていただけないかと当方から提案を行いました。近年のワールドクラスの楽曲は特にボトムの作り方が大きく変化したように思います。マスタリング作業での低音ブーストでは限界があり、より楽曲に近い位置での作業がベターと考えました。またボーカル中心の楽曲はやはりそこを軸にオケトラックの音作りをした方が、より楽曲の魅力を引き出せるのも確かです。
全曲ミックスマスタリングをお手伝いした集大成の1stアルバム
収録全楽曲のミックスとマスタリングを担当しました。低コストでも妥協なくワールドクラスのクオリティを目指すインディーズミュージシャンからの依頼をお待ちしております。
初回依頼は無料トライアルも可。お気軽にご相談ください。
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