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執筆者の写真Sound Reformer / yamakaWA

ボイスメモアプリやICレコーダー録音した講演会の音声データをクリアに改善

更新日:2021年1月11日

ICレコーダー録音した講演会の音声データをクリアに改善

録音物の音質改善サービスを運営している山川です。各種セミナーや講演会などの参加者から「講演をICレコーダー録音した音声が聞きづらい」と、いうお悩みはよくご相談いただく案件です。

今回は講演内容をCD販売したいというセミナー主催者側からのご依頼。講演内容は2日間、12時間に及ぶ長尺音声データの整音&編集後、10枚組のマスターCD製作を行いました。

安価なICレコーダー録音のクオリティ改善はまあまあ厳しい

クライアントは所有のボイスレコーダーを使用して音源化をしたいとのことで、事前にテスト収録をトライアル頂き、改善結果に満足されての採用でした。

録音は初心者とのことで、テスト録音は収録位置など細かくメールでお伝えし、臨んでいただきました。しかし、そのテスト録音結果はボイスレコーダーのリミッターがなかったらおそらく音割れしているであろう、レベルの高すぎる音源でした。それでも改善処理はある程度できましたが、音割れ気味な状態が気になったため本番はレベルを絞ってもらうようお願いしました。

ボイスレコーダーのノイズキャンセラーの功罪

本番収録ではレベルを絞っていただいたのですが、ここで新たな問題が発生してしまいました。 録音レベルは問題ないものの、ボイスレコーダー本体に内蔵された「ノイズキャンセラー」が新たな問題を誘発してしまいました。ノイズキャンセラーはエレキギターなどに使用されるオールドタイプのノイズゲート

ゲートということだけあって、ボリュームに関わる入口(ゲート)を自動で開閉するという仕組みで動作します。

①演者が一定以上の音量でしゃべりだすと「ゲートが開き」大きなボリュームで録音。 ②喋り終えてボリュームが少し収まると「ゲートが閉じ」音量が小さくなった時にさらにボリュームが下がる。

上記のように動作し周囲の物音などが入りにくい仕組みです。

突発的にボリュームが上がる打撃音問題が発生

演者が普通に話している間は全く問題ない音源だったのですが、

・棒らしきものでホワイトボードを叩く「コツン」という音 ・資料を置いたりめくったりするときの「バサっ」という音

会場の傍聴者ではなく、演者自ら出している「打撃音」にノイズゲートが反応してしまい、 その部分のみ物切れの耳障りな「コツン」「バサっ」という音が強調されてしまいました。 これが12時間分の音源すべてに入ってしまいとても耳障り。すべて削除することにしました(泣)

かなり強い音像で混入してしまったため、自動処理での軽減ができず。ひたすら手作業で一か所ずつ消し込むという途方もない作業に明け暮れました。もちろんその改善結果は満足いただけて良かったのですが...。

このような講演会はやはりボイスメモの部類に入る安価なICレコーダーではなく、少なくとも音楽用のリニアPCMレコーダーがおすすめです。外付けマイクに入力できるタイプの機種なら、テレビのアナウンサーとも引けを取らない音声収録もできますよ。

実音源をテストリフォームしてのお見積スタイルにこだわります

テスト音源でお見積りしてしまったため、本番音源で途方もない作業がプラスされたのは完全に僕の失敗。録音セッティングも改善提案しなかったほうが、結果作業は円滑だったかもしれません。

ノイズ除去やオーディオ修復は目に見えず、実際に作業してみないと作業量を想定するのがとても難しいのです。このためハイブリッド・サウンド・リフォームでは実音源をお預かりせずにお見積りすることを原則としてお断りしています。

このように限られた音声素材からベストな音声コンテンツを制作するお手伝いをいたします。 講演会やその他録音物の編集等もお気軽にご相談ください。

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