サウンドリフォーマーの山川@HSRです。最近某企業からポッドキャストコンテンツの音質改善依頼がありました。
経営者自らの経験や会社のコアに当たる方針などを詳しくインタビューされており、
入社前の人材に会社を知ってもらう意図から制作されているコンテンツは
インテリジェンスに溢れ興味深いものでした。
インタビュアーとインタビュイーの音質誤差
コロナ禍ということもあり、リモートによるインタビューだったと想定されます。2名でのインタビュー形式の対談はそれぞれが別の場所で収録。二人の声質に差が出てしまい、それを改善できないかというご相談でした。最近は録音機器も比較的安価で高音質録音が可能。コンテンツによってはスマートフォンやPCのボイスメモアプリでも充分ですが、配信レベルのコンテンツとして成立させるには一定以上のクオリティが必要不可欠です。
専用スタジオで収録しなかった時に起こる部屋のエコー問題
録音スタジオのように吸音処理されていないオフィスや会議室での録音は、部屋の響き(残響音)までクリアに入ってしまいがち。
今回は正にこのパターンで、インタビューを受けている経営者の方が部屋の響きが多くマイクからやや遠く感じる音、インタビュアーの方がマイクに近いクリアで太い音という音質の誤差が出てしまっていました。コンテンツとしてゲスト側の声の品質が落ちるのは極力避けたいのは言うまでもありません。
エコー(残響)の軽減は最新技術でも万能ではない
上記の動画では残響除去系で代表的なプラグインが紹介されています。ZynaptiqやiZotopeの残響除去系のプラグインは当方も複合的に用いていますが、収録状態やデータ密度により改善具合がマチマチです。今回の依頼も収録時点から編集には不向きなmp3(非可逆圧縮音源)が用いられ、一定の効果があったもののやや改善効果が落ちた感触。また、音像が遠いため声の太さが足りなかった面もあります。
こちらを補完するため、EQ、エンハンス、コンプレッション等を複合的に組み合わせ、緻密なブースト処理を行いサンプル提案したところ、音質改善に満足いただき採用となりました。
声質はコンテンツの説得力を左右する重要ファクター
YouTube等の動画の場合、臨場感も含めそこまで音質は優先されないかもしれません。しかしポッドキャスト、ラジオなど音声のみコンテンツの場合は一定以下のクオリティになると、一気にプロコンテンツととの差が露呈し、折角の優良コンテンツもややチープな音声品質になり説得力が低下します。
ボイスコンテンツの録音は専門エンジニアがスタジオ収録したものと割とさが出やすい領域。収録したポッドキャストコンテンツの音質にお悩みの方がいらっしゃいましたら、私が運営する音声修復・改善専門サービスのハイブリッド・サウンドリフォームまでお気軽にご相談ください。
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