最近はリモートのナレーション整音の仕事ばかりこなしているサウンドリフォーマーの山川@HSRです。映画作品の整音作業も技術的な挑戦欲が掻き立てられやりがいも満載。
しかし、私にとって音楽作品のミックスやマスタリング仕事が何よりも魂が喜ぶお仕事。
自宅録音によるオリジナルピアノ作品を精力的に発表されている今村陽子さんは何度かリピートいただいているクライアントさま。私がミックスマスタリング(オーディオレストレーションを含む)お手伝いした今回のアルバムは各種サブスクリプションサービスにて配信が始まっています。
瑞々しくて優しいパーソナルな雰囲気がありピアノの心地いい響きが楽しめます。
ピアノ(生楽器)のレコーディングは試行錯誤という経験値でしか学べない
僕に初めてお仕事依頼いただいた数年前は、マイクやそれに関連するレコーディングのセッティング、ピアノ自体にも楽器コンディションにも少し難がある、かなり厳しめの音源。そのため私がする作業の大半はノイズ除去でした。
ノイズ処理や整音に強みをもつ、私が運営するハイブリッド・サウンドリフォームにはプロエンジニアが録音したスタジオレコーディング素材は滅多に有り付けず、どちらかといえば録音問題を抱えた音源が集まる傾向にあります。
生楽器や歌のリモートでのミックス作業は、依頼された録音素材に対し、
「これは厳しい、どんな設定にしましたか?」
「XXXという動画でセッティングを真似てみた方がいい」
「どうやって録音したのですか?XXXした方が…」
などと、いうやりとりも少なくありません。
音楽作品のミックスマスタリングも素材以上に化けたりしない
料理でも演奏でも素晴らしい素材に勝るものはありません。
DAW入りのパソコンやそれなりの録音端末さえ用意すれば、誰でもそれなりのデジタル録音ができます。しかし、録音作業を職業とするレコーディングエンジニアなる職種が存在するのはなぜ?素材の旨味を最高に引き出すシェフと同じく、良い録音をするには、収録に関する多角的なノウハウとそれを判断できる耳、部屋やスタジオの響きまでもを知り尽くしたプロに価値を感じるミュージシャンがいるからに他はありません。
クライアントのためのミックスマスタリング
私は100%ネット上で編集依頼を承っているため、録音仕事は行わず、オーディオレストレーション(様々なノイズ処理や音声修復)やミックス、マスタリングなど、後処理専門。
依頼いただいた素材にベストを尽くして納品するのですが、相手に理解を得られた場合は、その仕事を失っても録音し直しをお勧めすることもあります。
今村さんは初回依頼の頃に、そういった(やや小うるさいと感じるかもしれない)助言も多めにさせていただいた1人。
今回リリースの「Second Impression +」は
僕へのミックスマスタリング依頼が3回目のアルバム作品。今回は録音状態が劇的に改善されており、試行錯誤の積み上げを強く感じ、作品はもちろん、そのレコーディングデータに感動しました。
ノイズ除去というネガティブな処理が作業の中心ではなく、より作品を輝かせるためのミックスができるのは至福の喜びです。
試行錯誤してより良い作品を探究する姿勢
アドバイスを「煩わしい」と感じた方は、それをきっかけに2度と依頼いただけない場合も残念ながらあります。また、何度提言しても全く進化せず理解が乏しい方(結果、オーディオ的な進化はない)が存在するのも現実。
担当エンジニアのエゴなどはなく、あくまでも作品がどうなったら良くなるか?と、いう共同作業者視点の提案というつもりなのですが…。
いい音を聴き分けられる耳があることはもちろんですが、何事も試行錯誤してより良い作品を探究する姿勢は必ずフィードバックをもたらすという事例を体感でき、僕も身が締まる思いでした。
プロのピアノソロ作品は専用レコーディングスタジオやホールなどで収録されるケースがあり、限られた機材での宅録ピアノ作品のDAWミックス方法っていがいとTipsが少なく、どうやって音作りしているか情報が少ないです。姉妹ブログの方に今回のピアノミックスに用いた手順なども執筆予定です。
音質改善サービスのハイブリッド・サウンドリフォームでは自宅録音でのピアノ作品のミックマスタリングも承っています。紹介した今村さんの作品は温かみあるパーソナルな雰囲気を持ちつつ、誇張しない感じに仕上げておりますが、YouTubeでJ-POP作品のカヴァー曲などは少し派手目のミックスなど、クライアントの要望に合わせて音作りをご提案します。
オリジナル作品の配信リリースを検討の方がおりましたらお気軽にお問合せください。
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