クラシック演奏会のYouTube公開を完璧に!プロの音声修復術
クラシック音楽の繊細な響きを、そのままデジタルの世界に蘇らせる。そんな夢のような作業を手掛けたSound Reformerの山川(@HSR_YB)です。今回、ある著名なホールで行われたピアニストの貴重な演奏会の映像修復をお手伝いしました。その音源は昭和から平成初期にかけて収録されたVHSテープに保存されていたものでした。
アナログ時代の遺産を守る:VHSテープの音声修復
今回のご依頼は、アナログビデオデッキで録画されたコンサート映像の修復。既にDVD化されたものですが、大元のVHSテープに残された音源は、長年の保存で劣化が進み、再生時には「ブーン」や「ビビビ…」といった耳障りなノイズが混入。これらのノイズは、特にクラシック音楽のように細やかな表現が求められる場面では、聴く者に大きなストレスです。
VHS音源のデジタル化とノイズ除去の挑戦
テープの劣化と再生デッキのコンディションが悪い場合、デジタル化された音源にはそのままノイズが刻み込まれてしまいます。
音声修復技術は日進月歩であり、私が主に活用するiZotopeRXという音声修復ツール(ソフトウェア)もバージョンアップするたびに新たな修復技術が加わり多機能です。それでも万能ということはありません。
VHSに特有の強烈なノイズは、片チャンネルに集中して発生することが多く、これを完全に除去するのは非常に難しい課題です。
最終手段:疑似ステレオ化による音源改善
こうした厳しい状況でも、最終手段として、ノイズの少ないチャンネルをモノラル化し、そこから疑似ステレオ音源を再構築する方法があります。この手法により、ノイズを可能な限り排除し、演奏の本質を損なわずにYouTubeで公開することが可能です。
アナログからデジタルへ:クラシック音源の新たな命
クラシック音楽は、その性質上、過剰な編集を避ける傾向があります。しかし、アナログ録音の時代に生じたヒスノイズや雑音は、今の技術を持ってしても完全には取り除けません。その一方で、咳払いの音や過剰なペダル音など、デジタル録音ならではの問題点に対しては、個別に対応することが可能です。咳払いや子供の声をくり抜いたり、局所的な加工で響きすぎるペダル音を軽減させたりと、多種多様な音声編集が可能です。
プロピアニストであっても、完璧な録音環境で演奏する機会は限られています。しかし、Sound Reformerの編集技術を駆使すれば、貴重なアーカイブを現代の視聴者に向けて最高の状態で公開することができます。クラシック音楽の演奏会や貴重な音源をYouTubeにアップロードしたいとお考えの方は、ぜひ私たちにご相談ください。
Comments