音声解析ではなく音質改善専門サービスを運営しています
一般の方からはノイズ除去の依頼が多いですが、月に一度程度あるのが「音声解析」のご相談です。こちらは基本取り扱っていません。
直近で唯一お受けした音声解析
直近で唯一お受けした案件は、「音声データの会話内容が編集されているか否か調べてほしい」というもの。音声素材をチェックしながら、気になる箇所に編集の傷跡がないかお調べしました。
素人が編集したものは露骨なつなぎ目あったりと、比較的判断しやすいです。しかし、音声専門のプロが編集した場合はつなぎ目や背景ノイズまできっちり合成処理されているため、プロの私でもほぼ見分けがつきません。
お受けした音源は当方でも明確に編集箇所があったとは明言できないものでした。
依頼者は「編集点を見つけてくれ」というニーズに対して、ギャラをいただいたのち、「ありませんでした」というのはなんだか気が引けます。
そんな理由から基本的にはお受けしておりません。
幻聴がある方からの相談も一定数ありますがお受けしていません
精神的疾患やそれに近い症状により幻聴があり、「絶えず悪口が聞こえる」のでその場で録音してみたのだけど、それが入っているかどうか調べてほしいいうご要望も一定数ありますがお受けしていません。
部屋の中のかすかな音もそのように聞こえてしまうことがあるようです。もちろん疾患やその疑いのある方を否定するものではございません。
上記を例にしたご相談の場合、実際にデータを確認、ボリュームを数十倍にしてノイズカットしても何も聞こえないケースが大半。(コンタクト時のデータ確認まで基本対応しますが)当方としても改善余地のない作業はお受けできません。
ビジネスとして無料トライアルを打ち出しているため、100%改善できないものは作業分の赤字が発生してしまうからです。
解像度の低い写真データは引き延ばしてもアラアラ
音声修復には主にiZotopeのRX8Advanced(2020最新版)というアプリケーションを用いて業務に
あたっています。
スペクトログラムメーター(ブログ一番上の画像)といわれる、音成分をグラフィック化できるため、音声の状態はどんな成分が混入しているかはざっくりと把握できます。
しかし、聴こえるか聞こえないかのごく小さな音は解像度が低い音源においてはデータ化されません。また環境音は様々な音が混ざっているため、大半の場合、特定成分をメータ内から見つけられません。
音も画像データと似た特徴があります。解像度の低い写真画像をパソコン上で引き延ばしてもモザイクみたいになってしまい、何だかよくわからないという経験はあるかもしれません。
音声データも録音された小さな音を大きくするということはそれに近い感覚。遠くに聞こえる音ほど改善難易度が高いといえます。
音質改善はあくまでも聴こえている音を聴きやすくするのが基本
音声データ内でかすかでも対象の声が聞こえなければ、改善確率はゼロです。自身で録音した音声の中に、断片的でも何を言っているかわかるワードが確認できない場合はおそらく内容を明確にすることはできません。
スマートフォンのボイスメモや安価なICレコーダーではせいぜい、マイクから50cmくらいがクリアに録音できる限界です。部屋の片隅で浮気現場の証拠をとらえようとしても、大半の場合は失敗します。
もちろん、高解像度で高性能マイクを内蔵した録音機(リニアPCMレコーダー)などではもう少し改善確率は向上します。
どうしても自分には聞こえるけど、聴こえるか調べてほしい方はまずは家族などの近親者に「なんか声が聞こえるみたいなんだけど」と録音データを聞いてもらうことをお勧めします。
まとめ
音声解析は基本お受けしない
自分で聞いてみて全く会話が聞こえない場合は改善確率ゼロ
あくまでも聴こえている音を改善するサービス
小さな音を大きくするのは粗い写真データを引き延ばすのと似ている
年間100件以上、聴きづらい音源を改善しています。
お困りの音源がございましたらご相談ください。
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