防犯カメラ（セコム）に記録された会話を聴きとれる音質に変換

防犯カメラ（セコム）に記録された会話を聴きとれる音質に変換

録音データの音質改善や動画編集を手掛ける山川です。

先日、防犯カメラの音声に記録されていた会話を明瞭にしてほしいという問合せがあり、無事納品しました。

防犯カメラの問い合わせもこれまでいくつかありましたが、音質改善は一般的な音声ファイル（WAV, Aiff, mp3 等）でご依頼いただくことが条件となるため、クライアント側で上手く変換できず頓挫することがほとんどでした。

防犯カメラデータの特殊コーデック

セコムが提供する防犯カメラはsecという動画ファイル。いわゆる動画・音声クリエイターが通常扱うデータではありません。

広範囲のファイル変換が可能なvlcプレイヤー（フリー）やadobeのMedia Encoderですらこの変換には対応していません。防犯カメラのデータは重要なセキュリティに関わるの都合上、安易に書き換えられない方式を意図的に採用しているようです。

ネット上ではいくつか変換できる方法のブログは存在しますが、コマンド入力の対応が必要など、プログラムの知識がないと難しいので諦めました。

再生できるならシンプルに録音して対応

共有いただいたファイルはsec専用プレビューアプリと紐づいていており、それでしか再生ができません。プレビューアプリもろともクライアントから提供があったので、変換は諦め、シンプルにwindowsで再生、Mac側で音声のみアナログ録音しました。

録画しっぱなしの動画データの解像度は低い

アナログアウトしサンプリングレート48kHzで録音し改善処理を開始。24時間録画し続ける防犯カメラデータの音声は想像通り解像度は低め。感覚値としてはビットレートの低いMP3以下の音質といったところ。諸々のデータ密度が低いため、各種プラグインの効果もやや乏しい印象。

防犯カメラが設置されたとなりの部屋から聞こえてくる会話

細かな内容は機密保持の観点から説明できませんが、カメラの間下で拾えた音声はそこそこ良好で。おおよその内容が聴き取れます。しかし、隣の部屋からこぼれてくる会話は部屋の残響も加わり不明瞭です。このような音声を改善するのは簡単ではありません。1時間弱の音源でも何重の工程を繰り返しました。

スマートフォンの普及に伴い、近年、裁判や係争、離婚などのトラブルで音声データの登場は日常的なものになりました。当サービスにも弁護士事務所からの音声データの改善依頼も増加傾向です。

ビデオカメラの音声においても幅広く改善実績がございますのでお気軽にお問合せ下さい。