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執筆者の写真Sound Reformer / yamakaWA

VHS時代の自主制作映画音声をハイブリッド修復するお手伝い

更新日:2020年11月11日


先日、今から30年ほど前に制作された自主製作映画の音質改善を承りました。

クライアントさんが高校時代にVHSデッキを編集されたという作品。VHS時代の音声はアナログ。現存する多くの録画済みビデオテープ同様、ヒスノイズなどが多く混入しています。


VHS時代の自主制作映画音声をハイブリッド修復するお手伝い

特別な作品は多くの場合、既にデジタルコンバートされており、クライアント様はブルーレイメディアにコピーされていたデータをお持ちでした。もちろん元データの状態はそのままに

発生したノイズもろともデジタル化されています。

ヒスノイズのほかアナログ音声時代にはありがちともいえる、レコーダーを止めた時の「ブツっ」といった音。

家庭用VTR機材を駆使してのVHS編集は、つなぎ目などの仕上げコントロールは難しく、

多くの場合、違和感のある部分が含まれてしまうのが常です。

私が主な生業とする今どきのオーディオレストレーション(音声修復)技術において、それらのネガティブな音声の多くが改善できるようになりました。

とはいえ、一聴して明らかにノイズと感じる状態の音源は、毎年アップデートする自動処理での軽減作業は多くの場合上手く行きません。

違和感がある音を丹念に調べ、一つ一つ局所的に編集していくため、30分を超える長尺なものだと、かなりコスト高なお見積りをせざるを得ません。

<平均的なヒスノイズ除去、局所的な改善リクエスト>

初回の改善サンプル提示では、30秒程度ですがほぼマックスのクオリティでご提案。

常に入っているヒスノイズと、セリフを重ねるごとに強くなるノイズを丹念に軽減。

もちろん、違和感のあるつなぎ目の「ブツっ」というノイズなども除去。

クオリティには驚いていただきましたが、修復箇所の多さからお見積り高騰し、

クライアントの予算に合わず、折衷案として下記の方法でオーダーいただきました。

1.トータルのヒスノイズ除去

2.1で出来上がった全体の音声から、ピンポイントでどうしても改善したい箇所をリクエスト

上記の形で音質改善作業を進めました。

<追加オーダーはBGMが後ろに乗っかったセリフの抜き出し>

2で行う追加オーダーは当初、「ブツっ」という音などを消すという予想をしていましたが、

実際にクライアントさんからあったのは「バックにBGMが差し込まれたシーンのセリフのみの抜き出し」でした。

セリフ自体は1カットのシーンに5~10フレーズでしたが、けっこうくっきりとBGMが乗っかているため、当然セリフにかぶってきます。

これまでにないパターンのリクエストに、どのくらい軽減できるか未知数でしたが、

まずまずの仕上がりで納品。喜んで頂けました。



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