重要な会話の録音は非圧縮かロスレス圧縮ファイルで
音質改善専門サービスの当方にご相談いただく、ボイスメモ音源は様々なパターンがあります。収録ロケーションや録音端末、またそれぞれの記録方式もバラバラ。
こちらでは知っておきたい音声データのファイル方式の基礎について説明します。
SoundRefomer
T.YAMAKAWA
「音楽・音声」のリフォームサービスを手掛けてます。音楽クリエイター→サラリーマンを経て独立しサービスを開始。日々、音でお悩みの様々なクライアントからお仕事を受注する傍ら、音楽ステージ系の映像編集も手掛けています。
圧縮音源は雑音除去編集に不向き
音声ファイル圧縮音源と非圧縮音源が存在します。
非圧縮音源=データ量を気にすることなく音質を優先したファイル
圧縮音源=音質をなるべく損なわないようデータ軽量化されたファイル
代表的な非圧縮音源
wav Aiff
代表的な圧縮音源(非可逆圧縮)
mp3 AAC WMA m4a(設定による)
♪音を削らず圧縮する可逆圧縮音源(Flac m4aなど)もあります
会話録音を想定したICレコーダーに多く採用されているのがwavやmp3方式です。簡単な説明書の場合、wav=高音質モード / mp3が長時間モードと要約されています。
mp3とwavの音質差はスタジオクラスのスピーカーやモニターヘッドフォンがあっても素人には聴きわけが困難。そのため「長く録音できるならこっちでいいや」と、あまり考えることもなくmp3に設定してしまうケースが大半です。
しかし、データが大きく間引かれた圧縮音源はカットなどの簡単な編集は大丈夫だとしても音を大きくしたり、ノイズを除去したり複雑なデータ処理をする場合では著しく精度が落ちます。
内蔵メモリー8Gの最大録音時間
8Gの内蔵メモリーを搭載したパナソニックのICレコーダーでは設定により最大記録時間が大きく変わります。
PCM-44.1kHz(wav):約12時間
mp3-320kbps:約53.5時間
mp3-192kbps:約89.5時間
mp3-128kbps:約134.5時間
mp3-64kbps:約269時間
8Gの内蔵メモリーを搭載したパナソニックのICレコーダーでは設定により最大記録時間が大きく変わります。高音質モードのMP3でも非圧縮PCMに比べ約半分、最も軽量化した64kbpsモードでは95%のデータが間引かれていることになります。
データが小さい画像を引き延ばしたときにモザイクになってしまう
解像度が低い画像データを引き延ばしても、拡大できないのと原理は似ています。音声データも解像度が低いと、後から音を良くしようとしても難しいということです。当方のような音質改善の専門プロでも解像度が低いデータからの改善は不可能なケースも多々あり全体の40%くらいはギブアップかクライアントによる不採用案件となっています。
内蔵メモリー8Gの最大録音時間
プロミュージシャンや映画制作などのクリエイターがmp3モードで収録することは基本的にはありません。非圧縮かつ高解像度モードで録音し、最終的にユーザーが扱いやすいサイズに圧縮しているのです。裁判などで使うかもしれない重要な会話の録音をする場合は必ず非圧縮モードで録音しましょう。
iPhoneのボイスメモ設定も切替があります
最近はICレコーダーを使用せず、iPhoneなどスマートフォンのボイスメモ機能を活用することも多いようです。こちらも設定によって、ロスレス圧縮か否かを選択できます。重要録音は必ずロスレス設定にしておきましょう。設定→ボイスメモを開きます。
オーディオの品質を選びます
ロスレス圧縮設定していれば、万が一音声が聴きづらく場合でも改善できる確率が向上します。裁判に絡む重要な会話などは必ずロスレス設定でおこないましょう。
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