Sound Reformer / yamakaWA
6月13日読了時間: 5分
ブラスバンドといえば定期演奏会やコンクール、屋内外の各イベントと様々な演奏ロケーションが想定されます。ライブ作品の録音物として残したいなら音楽ホールでの収録が音質的なクオリティを確保するのに適しています。
個体差はあるにせよ、音楽演奏を前提に音響設計された場内の響き、常設された天吊りマイクによる組み合わせは鉄板です。客席のノイズも入りにくく、生演奏もバランスよく聞こえます。(客席内が騒がしいともちろん影響します)
天吊マイクは素人が日常に扱うことがないハイグレードのものが採用されている場合がほとんど。自前でリニアPCMレコーダーやビデオカメラ、スマートフォンなどに収録することもできますが、それらの内臓マイクを使用しての録音と比べると音質グレード差は顕著です。
昨今、力の入った中高生のブラスバンド部ではビデオ制作会社に撮影・編集を依頼。定期演奏会などを映像記録に残す学校も少なくありません。
僕は業務委託先でそのような映像編集を年数30本ほどお手伝いしていますが、そのほとんどが天吊りマイクをそのまま活かし、演奏部分はそのステレオトラックを主音声として編集しています。少しだけで音補正のため、映像編集ソフト上のイコライザーで気持ち補正をするにとどまります。音楽作品という位置付けではなく、あくまでも舞台記録という場合は充分なクリティです。
YouTube動画ならとても簡単
これからは音も選択する時代です。
天吊りマイクの音声は加工せずに使うのが当たり前とされている固定概念もあるようです。しかし、専門のエンジニアが充分なリハーサル時間を確保して収録した場合を除いては、無難な平均位置にセッティグされており、バンド編成や楽曲リストに基づいた緻密な設定とはいえません。ほとんどの場合、整音やマスタリングによる音質改善の余地があります。ヘッドフォンや高価なステレオセットで聞き込みたい音源なら、整音やマスタリング処理を依頼すると、ぐっとプロクオリティの音質に近づきます。(もっともノイズや話し声だらけ雑音が多いと限界はありますが)
多くのリスナー、演奏家が経験することですが、「生演奏を演奏で直に感じる音」と「録音された音」とは大きな感覚差があります。生演奏はダイナミックレンジの限りがなく、鈴虫のような小さな音から、フルオーケストラでフォルテシモの音、またはそれ以上の爆音でも制限のない(人間が耐えられる音量はあります)は音の強弱が表現できます。
しかし、録音媒体の音声信号は音量幅も制約のある箱の中に収められてしまいます。
音量差の大きな楽曲などは大きい部分を圧縮して強弱を少しなくしてやることで、録音物の迫力が保たれています。したがって、録音物においては「上手に嘘をつく」音声加工を加えることで、体感値に近いエッセンスを擬似的に作る技術が必要なのです。録音物で音楽を楽しむって、今では当たり前の行為ですが過去の記録を切り取ったヴァーチャルな音世界を再現するということとも言えます。
ハイブリッド・サウンド・リフォームではホール収録されたブラスバンドやオーケストラその他ピアノ等の収録音源を高音質化するお手伝いをしています。
環境・空調等、常に入っているノイズをく軽減。
ハウリング・客席の鳴き声・落下音・マイク打撃音・音割れ・残響成分軽減など、
高度な音声修復
イコライジング・リミッティングなど演奏形態やジャンルに合わせた緻密な出音調整。リヴァーブを響きをあえて足す等の高品位なミックス処理。